「天国のでたらめ」 


すごくいい曲なんだ…
メロディも歌詞も泣けるんだ…

    嫌になるくらい見つめてね
    忘れないでね

聴くたびに胸に響いて、涙が止まらない。



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ももいろクローバーZ主演、ミュージカル「ドゥ・ユ・ワナ・ダンス?」
を観劇してきました。

9/24から10/8まで行われたこの公演、
私は9/24の初日と10/3マチネ、10/6マチネの計3回観に行きました。

3回も観たんかい!ってツッコミが聞こえてきそうですが(笑)

いや、これは何回でも繰り返し観てみたくなる舞台だったんですよ。
ホントに。

ちょっと感想なんかをツラツラと書いて行こうと思います。


まず、出演者のみなさんの歌と踊りが最高に素晴らしかった。

ももクロのみなさんはもちろんですが、共演者のみなさん、中でもシルビア・グラブさん、妃海風さんのお二人。
とにかく声の張り、声量、ダンスのキレ、ステージでの佇まい、全てが違う。

雰囲気が別次元に感じました。

お恥ずかしいことに私はお二人を今まで知らなかったのですが…。すみません。

やはりミュージカルの第一線で活躍されている女優さんは違うなと思いました。


機会があれば、お二人の舞台をもう一度観てみたいですね。


そしてアンサンブルとして脇を固める役者さん達もまた素晴らしい。

先程のお二人が演じる天使様(悪魔?)とアンサンブルの方々がももクロの曲、
第一幕では「サラバ、愛しき悲しみたちよ」
第二幕では「黒い週末」
を歌うシーンがあるのですが、これがまるで別の曲か?というぐらいの迫力で。

振り付けは本家ももクロのものとほぼ同じ。


あの激しい振りをももクロさん達の何倍もの音圧で歌い上げるのです。

これは相当トレーニングを積まないと出せないはず。

サラバのミドルパート

   “そしてどこまでも〜〜
      (どこまで〜も〜〜)

ってコーラスが入るアレンジなんか
いかにもミュージカルって感じで、
(私の拙い文章力では、全然伝わらないかも知れないけど…)
すごくカッコ良かった!!


シルビアさんと妃海さんが心地良いハーモニーを奏でる「世界の秘密」も素晴らしいバラード。

泣けます。



初日、私は前から2列目という過去イチの近さで観ていたのですが、あまりの迫力と音圧に座席で金縛りに遭ったかのように凝り固まっておりました。もう呼吸を忘れるぐらい。


それぐらいゲストの方々、素晴らしかったです。



個人的にシルビアさんと妃海さんの好きなシーンを上げると、

一幕、しおりんのシーンにて、
結婚式場の「歌うヘアサロンのマダム」と紹介されて

「ご利用ありがとうございま〜〜〜〜〜〜す!」

と裏声で舞台を半周するシルビアさん(笑)!
スゴかったです!!

ちなみに初日は、短めだったんですが、
後半になると舞台を半周するぐらいのロングトーンになって、会場から拍手が沸き起こるという、そんな見せ場になっておりましたね。


あと、

「チャコです!!」

これ好きなんだよなぁ(笑)


妃海風さんの見せ場と言えば、二幕の最初、劇中の架空のアイドルグループ、HEAVENが歌い終えて控え室に戻ってきた所のシーンで毎回吹っかけるムチャ振り(笑)

10/6のマチネでは、コールアンドレスポンスが見たいとの理由で、とうとうももクロの自己紹介をブッコんできました。

(ただ、何故かショートバージョンで、と言ってしまったが為に、れにちゃんとしおりんはコール出来ず、夏菜子は役名を無理矢理ねじ込んで何とか「かなこぉ⤴︎」を成功。
あーりんはほぼ完璧に「いつものやつ」を行なっておりましたw)

カーテンコールで
「ホントにムチャ振りが酷くて!」
と、夏菜子に突っ込まれてましたが、キャスト同士の仲の良さが垣間見れる、微笑ましい瞬間でした。



こんな素晴らしい方々と共演しているももクロさん達も、この舞台を通じて、より一層進化しておりました。

高城さんは歌唱力がまた一段とレベルアップしていました。
今年になってからすごく声量がアップして芯が強くなったな、と感じていたのですが、今回さらに上手くなったなと思いました。

「希望の向こうへ」を独唱するシーンでは、抑揚をつけた伸びやかな歌声で情感たっぷりに歌い上げていて、今やももクロの中で一番の歌唱力かも知れません。

かつてれにちゃんの歌声といえば、線の細い囁やくような声が特徴でしたが、それとは大違い。
すごく堂々とした歌いっぷりで良かったと思います。


しおりんは相変わらず顔ちっちゃくて可愛いなぁって思いながら観てました。
ウェディングドレスも違和感なく着こなせていて
あぁ、もうホント綺麗な大人の女性って感じで。
「仏桑花」の独唱もすごく安定していて聴いていて心地良かったです。

そしてあーりん。
あーりんらしさを残しつつも、演劇部の部長らしい振る舞いをすごく良く演じていたな、と思いました。
公演を重ねるごとに間の取り方や台詞の緩急の付け方を微妙に変えていて、どんどん良くなっているように思えました。

例えば、夏菜子との掛け合いのシーン

アヤカ「ちょっとセリフ読んでみて」
カナコ「出身はオオブンで…」
アヤカ「…、大分(おおいた)」
カナコ「ゲンジン裸足…」
アヤカ「…、玄人(くろうと)」
(中略)
アヤカ「セリフ全然ダメじゃん!」

ここの間の取り方と緩急の付け方、個人的にはとても好きなんです。絶妙なタイミングでセリフを入れてるんですよね。

あーりんだけではないですが、全体的に、初回公演の時はどの部分もサラッと流れてしまっていたように感じましたが、後半の公演になるにつれゆっくりとしたペースになった気がします。

事実、公演時間が伸びている、と川上さんも言っていました。(10/8放送の「人のふんどしでひとりふんどし」より)

中でもあーりんはひとつひとつのセリフを一番丁寧に客席に届けようとしているように感じました。
(もっと良かったシーンいっぱいあるんだけど、記憶力の問題で文章に起こせません。。。泣)


そして夏菜子さん。
やっぱりこの人は天才ですね。
バカで純粋でまっすぐな高校生「カナコ」を実に自然に演じきっていました。というかそこにいたのはもはや主人公「カナコ」そのものでした。


本当の百田夏菜子は、おバカで明るいだけじゃない、とても考え込む人、すごく思い悩む性格であることを私達ファンは知っています。


有安杏果から脱退を告げられた時、1時間半も黙り込んでしまった。杏果のまっすぐな目を見て本当の気持ちを返すことができなかった、そんな人です。

物語でも似たようなシーンが出てきます。
メンバーの一人が田舎に帰っていつか普通のお母さんになるのが夢だと告白します。

それを聞いた「カナコ」は、一瞬辛そうな顔を見せますが、すぐにパッと表情を変えてこう言います。

「それが正解!
   ふーこがそう思うなら、それが正解!
   私達は、今楽しいから、踊るのが正解!」

最初。

最初、このセリフを言わせるとは、本広監督はなんて酷なことをしやがるんだって私は思ったんです。

上で書いた杏果の一件があったから…

でも回数を重ねて観るうちに、
ああ、千田カナコなら当然こう言うよな、そういう人なんだものな、と妙に納得できたのです。


今舞台に立っているのは百田夏菜子ではなく千田カナコそのものだ。
ならば、「そんなセリフ言わせるな!」なんて考えは、ただのファンのエゴでしかない。
懸命に演じている夏菜子に失礼ではないか、
そう思えたのです。


ちょっと話が逸れますが、
ひとつ言及すると、今回のミュージカル、ももクロの歩んできたストーリーに寄せる演出や脚本が若干批判されてました。
(私がtwitterで見た限りですが)

というか、私自身がそう感じた、と言った方が良いかも知れない。

結成されたHEAVENの人数が最初9人だったり、あかりや杏果を思い起こさせるメンバーが居たり、そして脱退するエピソードがあったり。

正直、そんなストーリー必要なのかな、あと杏果推しの人は辛いんじゃないかな、と思いました。

でも、何度も観るうちに、
そんなことどうでもいいや、と。

目の前のももクロさん達の演技の前では、些細なことじゃないか、と思えるようになったんですよね。

本質はそこじゃない。

ももクロさん達がステージを通して伝えようとしていることは、

今を精いっぱい生きようよ、と

死んでからじゃ遅いんだよ、と

自分の魂を一生懸命生かしてあげようよ、って

そういうことなんじゃないだろうか。


結婚のことであれこれ悩む「しおり」も

演劇部や将来のことで思い悩む「あやか」も

看護師として一生懸命働く「れに」も

形は違えど、今の自分を精いっぱい生きて「ダンス」しているんだ。


物語では「カナコ」が最後、そのことに気づいて生まれ変わることを受け入れ、天に召されるわけだけれど、
2回、3回と観ていくうちに僕の気持ちも浄化されて行ったような気がします。

辞めていったあの娘達も、今はそれぞれの自分だけの「ダンス」を踊っているじゃないか
って。


逆に、お前はどうなんだよ?ってね。

もっと、自分の魂を震わせて「ダンス」しなきゃダメなんじゃないかなって思います。

とりあえず、仕事がんばろー (笑)


夏菜子ちゃんのこと、ちょっと付け加えると、
動きが素晴らしかったです。
常にピョンピョン飛び回るような動きをしていて全然じっとしていない!

コミカルな、妖精のような動き。
死んだことに気づかない人、つまりは幽霊みたいな役なわけだから、そういう動きになったのかな、なんて思いながら観てました。

最後、天に召されるシーンでは本当に飛んで行ってしまいますからね!
あれも夏菜子にしかできないだろうなと思います。




3回目は幸運にも譲って貰ったチケットだったんですが、譲って貰えなくても、多分自分で当日券買って観に行ってたんじゃないかなと思います。

それぐらい良かった。
どうせなら10回ぐらい観たい。

衝撃的で感動的な、ヒリヒリするような感覚が観た後もずっと残る。
そんな舞台でした。

素晴らしかった。

本当に。

こんな素晴らしい作品を魅せてくれて、本当にありがとう。