なぜ「ココロノセンリツ」は止まらねばならなかったのか
有安杏果のソロコンサート「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」が終わった頃。
少しずつ書き始めたものの、途中で放置してしまった記事のリサイクルです。
せっかくなのであの時から考えてたことを整理して文章として書き出し。
いつもの如く妄想成分超高めなので、話半分で楽しんでいただければ幸いです。
なお、いつもの如く長文。
有安杏果のソロコンサート「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」、
大成功に終わったコンサートだったが、そのラストは少し物悲しさを感じさせるものだった。
vol.1よりロゴに使用されているハートをあしらったト音記号。
スクリーンに映し出されたそれは、ハートの部分が「ドックン、ドックン」と鼓動していたのだが、
その鼓動は次第に弱くゆっくりとなっていき、画面のフェードアウトともに聞こえなくなる。
まさに終焉を感じさせる後をひく演出だったのである。
更にはパンフレットのラストに「最後のココロノセンリツ ~feel a heartbeat~」という直筆の文字。
それによって「もう杏果はソロ活動をやめてしまうのではないか」と言った憶測を呼ぶ。
後にブログでやたら「これからもももクロのことをどうかよろしくお願いします」と強調された事もあり、
心配性が多いモモノフたちは更なる負の感情スパイラルに陥ってしまったのであった。
あれから2ヶ月ほど経った現在、その後も有安杏果は翌日のファンクラブイベントを皮切りに、
ハロウィンのイベント、MTVUnplugged、フォーク村、ももクリなど、
アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の一員として充実した活動を続けている。
またソロコンサートについて積極的に振り返って話したりしないので、
何だかシンガーソングライターとしてのソロ活動が、はるか遠い昔のようにすら感じられる。
果たして彼女はもう、ソロ活動をやめてしまったのだろうか。
結論を言ってしまえば、私は彼女がソロ活動をやめてしまうことはありえないと言い切れる。
武道館のエンディングを見ても寂しさは感じたけれども、不安は全く感じたりはしなかった。
なぜなら彼女は、これまでのアイドル活動では味わう事が出来なかった、
「ゼロから作品を作る」という楽しさと、評価される歓びを"知って"しまったからである。
その歓びに魅了され、取り憑かれた人間は簡単に捨て去ることなど出来ない。
かつてももクロの主演した映画「幕が上がる」の中に、
主人公さおりの憧れる杉田先輩の印象的だったセリフがある。
だって他じゃ味わえないからさ、あんな感覚。
自分の世界が目の前で出来上がっていくの。
それを、お客さんと一緒に見ている自分を想像するとさ…
たまらないよね。
東京に出て劇団に入り、将来は自分の劇団を持つ夢を語る杉田先輩。
その原動力となるのは、演劇部部長としてゼロから作品を作る楽しさ、
他では得ることの出来ない魅力に取り憑かれたからである。
やがてさおりも吉岡先生と出会うことで演劇の楽しさ、演出家としての魅力に取り憑かれる。
映画とは違う切り口で描かれた舞台版「幕が上がる」の中では、
ガルルからの「何も知らないで、無邪気に演劇を楽しんでた1年前の方が、良かったと思ってる?」
という問いかけに対し、「全然、だって知っちゃったもん。私達。」と即答している。
そう、彼女達のように有安杏果も、創作する歓びを"知って"しまった。
知ってしまったからには、提供される曲に無邪気に喜び、歌うだけでは満足なんて出来ない。
自分の中から生まれてくる様々な想いを具現化し、人々の前で表現しなければ気がすまなくなる。
それをアッサリと捨てて、ももクロの活動に専念するなどありえないのである。
そもそも彼女は、自身の創作活動についてはオフの日に詰めてやっていたのだから、
趣味が実益を兼ねているようなものなので、ももクロの活動にはほとんど支障が出ない。
アイドルとして忙しくとも、これからもコツコツと詞や曲を作り続けることは十分に可能であるし、
それは約2年間に渡るソロ制作活動の中で実践できていた。
なので「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~」というシリーズは終わっても、
彼女がいつか再び新しい楽曲を携えて、ソロ活動を再開すると私は確信している。
それではそんな彼女が何故、まるでソロ活動の終焉を匂わすような行動をとったのか。
考えられるのはやはり彼女自身の問題と言うよりは、別の要因があるとみえる。
ではそれは一体何なのだろう?
某所で「他アイドルのソロ活動とかぶって大人の事情で出来ないのでは?」のような書き込みを見たが、
外圧によってソロコンサートの映像がTVで全く使って貰えなかったり、
音楽番組でのソロ出演のチャンスが全く巡ってこないような事はあったとしても、
活動内容自体に強制力があるとはとても思えない。(それが可能ならももクロはとっくに潰されている)
ましてや彼女は「路上ライブなどもやってみたい」などと発言してることからも、
ソロとして出る舞台へのこだわりは無く、それによるモチベーションダウンなどは考えにくい。
また、運営側が彼女のソロ活動に対して消極的になった、というようなことは無いと思う。
なぜならももクロチームは現在もソロ活動を推奨しているからだ。
連続テレビ小説「べっぴんさん」で全国的に知名度の向上した百田夏菜子は、
スポーツの応援大使やピンクリボンフェスティバルのPR活動、
更にはアニメ声優とソロでの活躍の幅を広げ続けている。
玉井詩織も女優としてHuluのコメデイードラマとNHKの連続ドラマへ出演。
高城れにも来年にソロコンサートを予定しているし、
これについては3回目でソロコンをやめようとしていた彼女を川上アキラが引き止め、
ライブ終了後に次回開催を確約させ、その模様をペリスコで生中継していた。
佐々木彩夏もインタビューで次のソロコンの展望などを匂わせたりもしている。
そんな流れがある中、有安杏果のソロ活動だけ軽視されるようなことはありえないのだ。
ではいったい何が、彼女のソロ活動を継続困難な状況に陥らせたのか。
私はそのヒントとなりえるものが、既に発売された書籍の中にあると見ている。
それはファーストソロコンサート「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.0」のパンフレット本。
ココロノセンリツ♪
この本には、ソロコンサートの初めての打ち合わせが行われた2015年5月21日から、
パンフレット入稿締め切りの翌年5月31日までの約1年間。
楽曲やコンサートを作り上げるまでを綴った彼女の日記と、
レコーディングの模様などの裏側を取材したドキュメンタリーが記録されている。
それらを読むと、ファーストソロコンサート開催の1年以上前から準備が始まったものの、
早々に一時休止状態に陥り、具体的な動きが殆どなくなってしまった事がわかる。
本格的に再始動が始まったのは約9ヶ月後の2016年2月。
なぜ、それほどにまで長い期間にわたって停滞したかと言えば、
ももクロの3rd&4thアルバムの制作に、ももクロチームが取り掛かり始めたからである。
新曲を20曲も増やすという膨大な作業の中では、彼女のソロコンサートへエネルギーを割く余力がなく、
ドームツアーが開始して音楽制作陣に余裕が出来るまで、時を待たなければならなかったのだ。
そのような過去を振り返れば、有安杏果のソロ活動の停止しなければならない理由は、
ももクロ音楽制作陣に彼女のソロ活動をサポートする余裕が無いからではないかと推測できる。
既に3rd&4thアルバムの発売から2年もの月日が経とうとしている。
そして来年の5月にももクロは結成10週年を迎える記念すべき年。
それに合わせて春でも夏でもない時期に、大きなライブも用意していると川上アキラは語っていた。
ともなれば、ももクロチームが付随して5thアルバムを準備している可能性は非常に高い。
発売まで1年を切っていると仮定したならば、既に音楽制作陣は水面下で動いているはず。
そうなると、ある程度のコンセプトを聞いて1~2曲作れば済む他のメンバーのソロ活動とは違い、
楽曲制作からアレンジャー&曲の提供者の選出、レコーディング等、
あらゆる面にこだわりって時間と手間が掛かる、有安杏果のソロ活動に手が回らなくなってしまう。
彼女1人だけソロ活動にストップが掛かったとしても仕方がないのである。
そのような理由で、私は有安杏果のソロ活動休止は、
「ももクロチームが5thアルバム制作を始めているから説」を唱えるのである。
ただ、これだけでソロ活動停止する理由には弱い気がしないでもない。
先にも語った通り、彼女の楽曲作りや楽器の練習は忙しい中でも、休日を利用して行われてきた。
ももクロチームが楽曲制作を手伝ってくれなくなったとしても、コツコツと内職は続けられる。
活動を通じてプロのミュージシャンとのパイプも広がったのだから、
全てをももクロチームに頼らずとも、自分である程度の話を進めることも可能ではないだろうか。
そう考えるとももクロのアルバム完成が来年中と考えたとしても、
彼女のソロ活動はその半年~1年後くらいには再開できそうな気もしなくはない。
それなのに何故、彼女は創作の手を止める必要があったのだろうか。
いや、彼女は創作の手を止めているなどあるはずはないと、私は夢想する。
彼女は恐らく今も、創作活動を続けているのではないだろうか。
有安杏果「個人」としてではなく、「ももクロの音楽チームの一員」として、
シンガーソングライター有安杏果が、ももクロの新アルバム制作に携わっているのだと。
2年前、3rd&4thアルバムの制作の際に、ももクロのメンバーは初めて制作会議に参加した。
その模様はアルバムに付属したBlu-rayに、ドキュメンタリーとして収録されている。
音楽チームの用意したアルバムのコンセプトを聞き、それに対するメンバーの意見を聴取し、
それを楽曲に反映するような形だったので、制作に直接携わるというほどのものではなかったが、
かつて大人の言いなりなどと揶揄され続けた彼女達にとって大きな進歩であった。
また百田夏菜子がディレクションブースに座ってレコーディングを指示したり、
自身の歌唱に納得がいかず、何度もリテイクを繰り返すシーンなどがあり、
これまで以上にメンバーの意図が制作に反映されていたアルバムであったことがわかる。
さて、そこから続く5thアルバムの制作である。
この2年間の様々な活動で、彼女達の音楽的造詣は増々深まっている。
前回は制作会議の参加に留まったが、今回は更に深い段階からアルバム制作に関わる可能性は高い。
特にソロ活動の全てにわたり自己プロデュースし、フルアルバムをも1から制作を手がけ、
売上的にも音楽的評価においても成功を収めた、有安杏果の手腕を見過ごす手はない。
イーブルラインレコードの宮本純乃介、スターダスト音楽出版の佐藤守道、
そこに有安杏果が席を並べ、アルバム制作に直接関わることに最早違和感はないのだ。
だとすれば、彼女がソロ活動を完全に停止し、ももクロとしての活動に専念しなければならない。
「ももクロチームが5thアルバム制作を始めているから説」にも説得力が増すのである。
もしかしたら彼女がソロ活動でわがままを通し、あれほどのコストや時間を費やすことが許されたのも、
彼女の音楽的素養を鍛え上げ、最終的にももクロの活動へ還元することを見込んでの、
先行投資的な意味もあったのかもしれないと私は思うのでした。
明日発売される「ミュージック・マガジン 2018年1月号」。
ミュージック・マガジン 2018年 1月号
その中の特集「ベストアルバム2017」のJポップ/歌謡曲部門において、
有安杏果の「ココロノオト」が6位にランクインしているとの情報がありました。
どちらかと言えば音楽マニア向けとも言えるこの雑誌において、これほどの評価を得られるというのは、
グループアイドルに所属したメンバーのソロ活動としては、異例の事態と言えるでしょう。
その力がももクロのアルバム作りにも、何らかの形で発揮されるとしたならば、
ももクロ及び有安杏果ファンとして、これほど楽しみなことはありません。
あくまで私の夢想の域を出ない話ではありますが、
2018年に10週年を迎える彼女達の活躍に、今後も注目して行きたいと思います。
<余談>
10週年といえば、多くのアーティストは記念にベストアルバムを発売する時期。
ももクロも5thアルバムが出るタイミングでこれを同時発売し、
3連続でアルバム週間ランキング1&2位独占を狙っているのでは無いかと妄想。
少しずつ書き始めたものの、途中で放置してしまった記事のリサイクルです。
せっかくなのであの時から考えてたことを整理して文章として書き出し。
いつもの如く妄想成分超高めなので、話半分で楽しんでいただければ幸いです。
なお、いつもの如く長文。
有安杏果のソロコンサート「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.1.5」、
大成功に終わったコンサートだったが、そのラストは少し物悲しさを感じさせるものだった。
vol.1よりロゴに使用されているハートをあしらったト音記号。
スクリーンに映し出されたそれは、ハートの部分が「ドックン、ドックン」と鼓動していたのだが、
その鼓動は次第に弱くゆっくりとなっていき、画面のフェードアウトともに聞こえなくなる。
まさに終焉を感じさせる後をひく演出だったのである。
更にはパンフレットのラストに「最後のココロノセンリツ ~feel a heartbeat~」という直筆の文字。
それによって「もう杏果はソロ活動をやめてしまうのではないか」と言った憶測を呼ぶ。
後にブログでやたら「これからもももクロのことをどうかよろしくお願いします」と強調された事もあり、
心配性が多いモモノフたちは更なる負の感情スパイラルに陥ってしまったのであった。
あれから2ヶ月ほど経った現在、その後も有安杏果は翌日のファンクラブイベントを皮切りに、
ハロウィンのイベント、MTVUnplugged、フォーク村、ももクリなど、
アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の一員として充実した活動を続けている。
またソロコンサートについて積極的に振り返って話したりしないので、
何だかシンガーソングライターとしてのソロ活動が、はるか遠い昔のようにすら感じられる。
果たして彼女はもう、ソロ活動をやめてしまったのだろうか。
結論を言ってしまえば、私は彼女がソロ活動をやめてしまうことはありえないと言い切れる。
武道館のエンディングを見ても寂しさは感じたけれども、不安は全く感じたりはしなかった。
なぜなら彼女は、これまでのアイドル活動では味わう事が出来なかった、
「ゼロから作品を作る」という楽しさと、評価される歓びを"知って"しまったからである。
その歓びに魅了され、取り憑かれた人間は簡単に捨て去ることなど出来ない。
かつてももクロの主演した映画「幕が上がる」の中に、
主人公さおりの憧れる杉田先輩の印象的だったセリフがある。
自分の世界が目の前で出来上がっていくの。
それを、お客さんと一緒に見ている自分を想像するとさ…
たまらないよね。
東京に出て劇団に入り、将来は自分の劇団を持つ夢を語る杉田先輩。
その原動力となるのは、演劇部部長としてゼロから作品を作る楽しさ、
他では得ることの出来ない魅力に取り憑かれたからである。
やがてさおりも吉岡先生と出会うことで演劇の楽しさ、演出家としての魅力に取り憑かれる。
映画とは違う切り口で描かれた舞台版「幕が上がる」の中では、
ガルルからの「何も知らないで、無邪気に演劇を楽しんでた1年前の方が、良かったと思ってる?」
という問いかけに対し、「全然、だって知っちゃったもん。私達。」と即答している。
そう、彼女達のように有安杏果も、創作する歓びを"知って"しまった。
知ってしまったからには、提供される曲に無邪気に喜び、歌うだけでは満足なんて出来ない。
自分の中から生まれてくる様々な想いを具現化し、人々の前で表現しなければ気がすまなくなる。
それをアッサリと捨てて、ももクロの活動に専念するなどありえないのである。
そもそも彼女は、自身の創作活動についてはオフの日に詰めてやっていたのだから、
趣味が実益を兼ねているようなものなので、ももクロの活動にはほとんど支障が出ない。
アイドルとして忙しくとも、これからもコツコツと詞や曲を作り続けることは十分に可能であるし、
それは約2年間に渡るソロ制作活動の中で実践できていた。
なので「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~」というシリーズは終わっても、
彼女がいつか再び新しい楽曲を携えて、ソロ活動を再開すると私は確信している。
それではそんな彼女が何故、まるでソロ活動の終焉を匂わすような行動をとったのか。
考えられるのはやはり彼女自身の問題と言うよりは、別の要因があるとみえる。
ではそれは一体何なのだろう?
某所で「他アイドルのソロ活動とかぶって大人の事情で出来ないのでは?」のような書き込みを見たが、
外圧によってソロコンサートの映像がTVで全く使って貰えなかったり、
音楽番組でのソロ出演のチャンスが全く巡ってこないような事はあったとしても、
活動内容自体に強制力があるとはとても思えない。(それが可能ならももクロはとっくに潰されている)
ましてや彼女は「路上ライブなどもやってみたい」などと発言してることからも、
ソロとして出る舞台へのこだわりは無く、それによるモチベーションダウンなどは考えにくい。
また、運営側が彼女のソロ活動に対して消極的になった、というようなことは無いと思う。
なぜならももクロチームは現在もソロ活動を推奨しているからだ。
連続テレビ小説「べっぴんさん」で全国的に知名度の向上した百田夏菜子は、
スポーツの応援大使やピンクリボンフェスティバルのPR活動、
更にはアニメ声優とソロでの活躍の幅を広げ続けている。
玉井詩織も女優としてHuluのコメデイードラマとNHKの連続ドラマへ出演。
高城れにも来年にソロコンサートを予定しているし、
これについては3回目でソロコンをやめようとしていた彼女を川上アキラが引き止め、
ライブ終了後に次回開催を確約させ、その模様をペリスコで生中継していた。
佐々木彩夏もインタビューで次のソロコンの展望などを匂わせたりもしている。
そんな流れがある中、有安杏果のソロ活動だけ軽視されるようなことはありえないのだ。
ではいったい何が、彼女のソロ活動を継続困難な状況に陥らせたのか。
私はそのヒントとなりえるものが、既に発売された書籍の中にあると見ている。
それはファーストソロコンサート「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.0」のパンフレット本。
ココロノセンリツ♪
この本には、ソロコンサートの初めての打ち合わせが行われた2015年5月21日から、
パンフレット入稿締め切りの翌年5月31日までの約1年間。
楽曲やコンサートを作り上げるまでを綴った彼女の日記と、
レコーディングの模様などの裏側を取材したドキュメンタリーが記録されている。
それらを読むと、ファーストソロコンサート開催の1年以上前から準備が始まったものの、
早々に一時休止状態に陥り、具体的な動きが殆どなくなってしまった事がわかる。
本格的に再始動が始まったのは約9ヶ月後の2016年2月。
なぜ、それほどにまで長い期間にわたって停滞したかと言えば、
ももクロの3rd&4thアルバムの制作に、ももクロチームが取り掛かり始めたからである。
新曲を20曲も増やすという膨大な作業の中では、彼女のソロコンサートへエネルギーを割く余力がなく、
ドームツアーが開始して音楽制作陣に余裕が出来るまで、時を待たなければならなかったのだ。
そのような過去を振り返れば、有安杏果のソロ活動の停止しなければならない理由は、
ももクロ音楽制作陣に彼女のソロ活動をサポートする余裕が無いからではないかと推測できる。
既に3rd&4thアルバムの発売から2年もの月日が経とうとしている。
そして来年の5月にももクロは結成10週年を迎える記念すべき年。
それに合わせて春でも夏でもない時期に、大きなライブも用意していると川上アキラは語っていた。
ともなれば、ももクロチームが付随して5thアルバムを準備している可能性は非常に高い。
発売まで1年を切っていると仮定したならば、既に音楽制作陣は水面下で動いているはず。
そうなると、ある程度のコンセプトを聞いて1~2曲作れば済む他のメンバーのソロ活動とは違い、
楽曲制作からアレンジャー&曲の提供者の選出、レコーディング等、
あらゆる面にこだわりって時間と手間が掛かる、有安杏果のソロ活動に手が回らなくなってしまう。
彼女1人だけソロ活動にストップが掛かったとしても仕方がないのである。
そのような理由で、私は有安杏果のソロ活動休止は、
「ももクロチームが5thアルバム制作を始めているから説」を唱えるのである。
ただ、これだけでソロ活動停止する理由には弱い気がしないでもない。
先にも語った通り、彼女の楽曲作りや楽器の練習は忙しい中でも、休日を利用して行われてきた。
ももクロチームが楽曲制作を手伝ってくれなくなったとしても、コツコツと内職は続けられる。
活動を通じてプロのミュージシャンとのパイプも広がったのだから、
全てをももクロチームに頼らずとも、自分である程度の話を進めることも可能ではないだろうか。
そう考えるとももクロのアルバム完成が来年中と考えたとしても、
彼女のソロ活動はその半年~1年後くらいには再開できそうな気もしなくはない。
それなのに何故、彼女は創作の手を止める必要があったのだろうか。
いや、彼女は創作の手を止めているなどあるはずはないと、私は夢想する。
彼女は恐らく今も、創作活動を続けているのではないだろうか。
有安杏果「個人」としてではなく、「ももクロの音楽チームの一員」として、
シンガーソングライター有安杏果が、ももクロの新アルバム制作に携わっているのだと。
2年前、3rd&4thアルバムの制作の際に、ももクロのメンバーは初めて制作会議に参加した。
その模様はアルバムに付属したBlu-rayに、ドキュメンタリーとして収録されている。
音楽チームの用意したアルバムのコンセプトを聞き、それに対するメンバーの意見を聴取し、
それを楽曲に反映するような形だったので、制作に直接携わるというほどのものではなかったが、
かつて大人の言いなりなどと揶揄され続けた彼女達にとって大きな進歩であった。
また百田夏菜子がディレクションブースに座ってレコーディングを指示したり、
自身の歌唱に納得がいかず、何度もリテイクを繰り返すシーンなどがあり、
これまで以上にメンバーの意図が制作に反映されていたアルバムであったことがわかる。
さて、そこから続く5thアルバムの制作である。
この2年間の様々な活動で、彼女達の音楽的造詣は増々深まっている。
前回は制作会議の参加に留まったが、今回は更に深い段階からアルバム制作に関わる可能性は高い。
特にソロ活動の全てにわたり自己プロデュースし、フルアルバムをも1から制作を手がけ、
売上的にも音楽的評価においても成功を収めた、有安杏果の手腕を見過ごす手はない。
イーブルラインレコードの宮本純乃介、スターダスト音楽出版の佐藤守道、
そこに有安杏果が席を並べ、アルバム制作に直接関わることに最早違和感はないのだ。
だとすれば、彼女がソロ活動を完全に停止し、ももクロとしての活動に専念しなければならない。
「ももクロチームが5thアルバム制作を始めているから説」にも説得力が増すのである。
もしかしたら彼女がソロ活動でわがままを通し、あれほどのコストや時間を費やすことが許されたのも、
彼女の音楽的素養を鍛え上げ、最終的にももクロの活動へ還元することを見込んでの、
先行投資的な意味もあったのかもしれないと私は思うのでした。
明日発売される「ミュージック・マガジン 2018年1月号」。
ミュージック・マガジン 2018年 1月号
その中の特集「ベストアルバム2017」のJポップ/歌謡曲部門において、
有安杏果の「ココロノオト」が6位にランクインしているとの情報がありました。
どちらかと言えば音楽マニア向けとも言えるこの雑誌において、これほどの評価を得られるというのは、
グループアイドルに所属したメンバーのソロ活動としては、異例の事態と言えるでしょう。
その力がももクロのアルバム作りにも、何らかの形で発揮されるとしたならば、
ももクロ及び有安杏果ファンとして、これほど楽しみなことはありません。
あくまで私の夢想の域を出ない話ではありますが、
2018年に10週年を迎える彼女達の活躍に、今後も注目して行きたいと思います。
<余談>
10週年といえば、多くのアーティストは記念にベストアルバムを発売する時期。
ももクロも5thアルバムが出るタイミングでこれを同時発売し、
3連続でアルバム週間ランキング1&2位独占を狙っているのでは無いかと妄想。