私が初めて
平手友梨奈と言う存在を知ったのは
「アンビバレント」を歌う音楽番組の中。

実家でその音楽番組を見てると
真ん中で髪で顔を隠しながら踊る子を見て
母が「何でこの子顔を見せないの?」と言った。

欅坂46と言う名前は聞いた事はあるけど
動く姿を見るのも、歌を聞くのも
その時が初めてだった。
メンバーの名前すら知らない。
センターで踊る、顔を見せない子が
どんな顔をしてるのかさえ知らないのに

なのに私は。
「そう言うパフォーマンス何でしょ?」
「ニコニコしてるアイドルより良いんじゃない?」
と咄嗟に庇いたくなる衝動にかられた…。

私の好きな音楽はビジュ系ロックバンドや
陰陽座など曲の綺麗な(妖怪)ヘビメタ(笑)
アイドルとはかけ離れた
ドスの効いた音楽やボーカルが好きだったので
アイドルはどちらかと言うと興味が無かった
と言うか、全く興味が無かった(汗)

でも、その音楽番組で初めて見る
真ん中で踊ってる中々顔を見せない子。
その髪の間から時折魅せる目力…。
いつの間にか目が離せなくなってて
気が付いたらその子は最後のポーズをキメてた…。
最後まで見て、ふと我に返った感じ。

見終わった後に
映画やドラマを見た後のような
ちょっとした疲労感と満足感と高揚感があって
誰にも教えたくないような…
何となく興奮気味な感覚を覚えてる。

スマホで調べて
真ん中で顔を見せずに踊る子が
「平手友梨奈」だと言う事を知る。
まだ十代って事に更に驚く。

その後暫くは
自分の中に「欅坂46」を感じる事もなく
他の音楽番組を見る事もなく…。
数週間後の「紅白歌合戦」まで欅坂46の事は
忘れているに等しかった。
紅白を見ていると欅坂46が出て来た。

「あっ、またあのダンスが見られる」

と思ってると
あれ??何かこの前と違う…。
高揚感が全くない…。何か物足りない…。

そう言えば、あの顔を見せないセンターの子は?
どこにいるのかな??

母が「この前の顔を見せないグループ?」と聞く

まだメンバーを知らないその時の私は
平手友梨奈がいない事にすぐには気付かず
スマホで調べて。。
「あっ。やっぱいなかったんだ…」と知る。
「ケガして出てないみたい」と答えた後
「何か、やっぱセンターがいないと…。」と
付け加えた。

年末年始はTVを良く見るんだけど
普段は朝の情報番組しかTVを見ないので
そこでまた
欅坂46の事は完全に忘れて生活をしてた。

ある日。
朝の情報番組で
アイドルが襲われたってニュースを知る。
毎日毎日そのニュースばかりで
イヤでも気になってしまう(笑)

4月か5月頃かな…。
その子の卒業公演をやるって事になって
その公演の中で欅坂46の「黒い羊」を歌うと…
朝の情報番組で話題になっていた。
それで初めて「黒い羊」のMVを見る。。

衝撃的だった…。
自分の感情の扱い方が複雑すぎて
どう気持ちを持って行けばいいか
何て説明して良いか分からなくて…
見ていて切なくて辛いのに。
何度でも見返してしまう…。
初めてMVで泣いた。

「僕」は平手友梨奈なのか?
平手友梨奈は「僕」なのか??
スマホの情報をちょっと掻い摘んで見ただけで
黒い羊と平手友梨奈がリンクしてしまう。
歌詞の言葉1つ1つとMVの物語。
現実なのか?空想なのか?
自分の中で消化する事が出来ずに
モヤモヤとした日々が続く。

そして…。
私は「欅坂46」が好きだって事に気付く。
きっと、アイドルって事で
欅坂46が好きかもしれない、惹かれている
って事を何処かで否定してた。
それとは裏腹に毎日の様に
欅坂46のMVを夜な夜な繰り返し見てる。
まさにアンビバレントな気持ちが
単純な気持ちを複雑にしてた…。

「好きなら好きで良いじゃん!!」

自分の感情に素直になったら 
何か憑き物が落ちたかのように軽くなり
「欅坂46」が毎日の楽しみになった。
久々に味わうワクワクした感情。
誰かに恋愛感情を抱いたかのようなドキドキ感。

何かを新しく好きになるって
何かに新しく興味を持つって
こんなに気持ちが充実するんだっけ??!
と今に至ります。