6月20日一泊で旅行に行く予定だった。
去年12月初め、遥か彼方ケンブリッジに居る妹からwhatsappから連絡が入った。令和元年最後の重大ニュース、心して聞くように、と。嫌な予感がした。その予感は的中した。
11年前、妹は乳がんになった。その後子宮頸がんになり手術した。手術の経過もよくがんは失くなったと思っていた。
しかし、その病は日に日に体を蝕んでいたのだ。気がついたときには、乳がん骨転移ステージⅣと言う診断だった。
父と母には心配かけるから まだ話さないでとの事だった。
妹はイギリス人と結婚し、二人の男の子を授かり、今はケンブリッジに住んでいる。私(兄)は、普通に結婚して長男長女と4人暮らし。そして、隣家に兄の父と母が住んでいる。妹からの提案で、家族4人で日本に来て家族10人で、旅行に行こうよと。
最後の晩餐。奮発した旅行を計画した。妹は、お金気にしてたけど、そん事は気にするな。全部兄に任せろ!
そんな中、新型コロナウイルスは世界に広まっていった。
旅行は中止にせざるを得なかった。
3月中頃、妹は父と母に自分の病状を告白した。
母の体調が良くないみたい。ふくらはぎから腰にかけてかなり痛みがある。そして右手も使えない位に痛みがある。ついに4月下旬のある朝、痛みが酷くて救急車を呼んだ。
それからの出来事はあっという間で、初めは整形外科からで、検査結果血液の値が異常とかで他の病院に回され、その病院でも整形外科から内科に移され、気がつけば5月9日に亡くなってしまった。
母は、生前かなりの倹約家で父にもお金を全然回さない人だった。そんな母が、入院する数日前、父50万円預けていたという。
その時既に自分の死を感じていたのか?
今までずっと自分の体の不調我慢してきたけど、妹の病気を知り、生きる望みが無くなってしまったのか?
新型コロナウイルスのおかげで、全てがおかしくなってしまった。
もうすぐ49日。

82年間、なんの親孝行も出来なくてごめんね。
安らかに眠ってください。