段階的にロックダウンが

緩和されている英国ですが、

『家を出て人と交われ、

社交的に生きろ』という

文化的圧力のない

外出制限下の生活が

たまらなく性に合っていた方も

世の中には

存在するのではないでしょうか。

 

それはさておき

3月下旬からこっち

『家から出るな』の

政府基本指針に従い

すっかりひきこもっておりました

私と夫(英国人)でございますが

それで結果的に

『いい目』を見ていたのは

間違いなく我が家の

黄色大犬アーシー嬢です。

 

アーシーの散歩の相方は

基本的に私で、毎日

午前中に1時間から1時間半

近所の森に出かけている一方、

リモートワークですっかり

運動不足をかこってしまった

わが夫が、ここ数週間は

時々夕方に犬を連れて

外を走るようになりまして。

 

この場合の『外』は

『森(深部)』あるいは『山』

もしくは『渓谷』を、

そして『走る』は『可能な限りの

全力疾走』を意味します。

 

 

帰宅時の靴と靴下の

惨状は言語を絶する有様で、

聞くと仲間(犬)が

一緒なのをいいことに

わが背の君は藪の中だの

浅瀬だの崖だのに嬉々として

突撃をかけている様子で

「・・・犬がいる生活って

本当にいいものですよね・・・!」

 

先日は森から山に抜けるコースを

4時間かけて走り倒してきたそうで

・・・帰宅時の人と犬の

目つきがもう完全に

おかしなことになっていたというか・・・

 

うわあ・・・ランバーズ・ハイって

こんななんだ・・・という

完全に一線を越えた

多幸感に満ちた表情、

おわかりいただけますでしょうか。

 

なお夫が犬と走りに出るのは

週に2・3回、特に

曜日も決まっておらず、

しかし犬の洞察力というのは

人知を超えたものがあります、

夕食後に夫がその日の仕事の

見直しを済ませ、よし、今日は

走りに出ようかな、と

部屋から出ようとすると

そこには必ずアーシーの姿が。

 

 

夫の書斎は基本的に

犬の立ち入りは禁止、

それを踏まえてアーシーは

夫の部屋に前脚や鼻面を

入れることなく、

鳴き声ひとつ立てず

気配さえも絶ち、ただじっと

夫が部屋から出てくるのを

床に伏せて待っている。

 

つまりこれは

「見てください、この忠犬の姿を。

えらいですね、健気ですね。

これはもう一緒に走って

あげるしかありませんね」という

『名犬のポーズ』なのでございます。

 

夫が走りに出ない日は

アーシーはこんなことはしないのです。

 

なお、家に帰ってきた夫に

その日走ったルートを

地図上で示してもらうと

まず等高線が

すごいことになっていて

「これは・・・ちょっと私は走れない・・・

いや、歩けない場所だなあ・・・」

 

「あ、君には絶対に無理だと思います。

高低差がすごいですし、

そもそも完全に『道なき道』ですから」

 

夫と名犬は本日も

野を超え丘超え山を越え(注:誇張なし

持久力の限界に挑戦しています。

 

楽しそうで何よりです。

 

 

帰宅時の夫は毎回

完全に息が上がっていて

しばらくは会話もできない有様で

顔は真っ赤だし額からは

滝のように汗が流れているし

・・・『走る』って本当に

体にいいものなんですかね・・・?

 

なおスコットランドはそろそろ

恐怖の吸血虫ミッジ

(ハイランドヌカカ)の季節

 

「ミッジ被害の少ない時間を

狙って走ります」と夫は

真っ向勝負の姿勢です

 

走ることがお好きなアナタも

犬さえいれば

もうなんでもいいアナタも

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