「アタラップ。離してあげて。」


一触即発の雰囲気にスタイルが口を開いた


「はぁ...」


スタイルの言葉に素直に従うアタラップ


「知らないことの方が幸せなこともあるってことですよ。」


タヌキは襟元を直しながら淡々と話す


「そうかもしれない。でも、受け入れ難い事実が目の前にあったとしても、逃げてばかりじゃ、きっと後悔する。そっちの方が私たちは嫌なの。」

「本人はきっと今の姿を見られたくないと思ってますよ。」

「誰のこと?」

「まさか...」

「違うよね?」


タヌキの一言で、お嬢様と軍曹が不安そうな表情を浮かべて会いに行こうとしていたのかを、キョウケンはじめ四天王が察した


「...どこまで知ってる?」

「...さぁ。自分がどれくらいの情報を得ているのか分かりません。」

「病室が何号室かくらいは知ってるよね。」

「...本人から口止めされてるので話しませんよ。」

「質問の仕方を変える。お嬢様と軍曹が向かおうとしてるのは何階?」

「......キョウケンさんは頭が切れますね。」

「これでも答えられない?」

「降参します。7階です。」

「タヌキ、サンキュー。」

「私が話したってバラさないでくださいよ。」

「分かってる。ほら、急いで行くよ。」