Another 10 Yearsベビメタ名場面(3) | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日3月29日は、2015年、さくら学院2014年度卒業式が行われ、水野由結、菊地最愛が卒業した日DEATH。

 

<2012年その2>

●2012年7月21日
Legend コルセット祭り@目黒鹿鳴館(定員250)
<セトリ5曲>
01.    ド・キ・ド・キ☆モーニング
02.    ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
03.    いいね!
04.    イジメ、ダメ、ゼッタイ
05.    ヘドバンギャー!!
06.    BABYMETAL DEATH(Short Ver.)

昨年12月に行われたBABYMETAL初のオンラインライブ「STAY ROCK-MAY-KAN」は、BABYMETALの原点となった”ロックの聖地“、目黒鹿鳴館でのこの日のライブを記念したものである。
2012年7月4日、単独名義でのインディーズデビュー曲「ヘドバンギャー!!!」がリリースされ、初の東名阪ライブハウスツアーである「ヘドバ行脚」として、7月7日に大阪・難波Rockets(一部・二部)、7月8日に名古屋・Electric Lady Land ell.Size(一部・二部)でのライブが行われた。
東京・目黒鹿鳴館でのライブは、それから2週間後で、「コルセット祭り」と命名されていたが、位置づけとしては「ヘドバンギャー!!」リリースツアーの締めくくりであった。
当時の持ち歌は、わずか5曲だけだった。
ヘドバ行脚のセトリは、一部が「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、「いいね!」、「君とアニメが見たい」、「ヘドバンギャー!!」の4曲、二部が「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、「いいね!」、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、「ヘドバンギャー!!」の4曲だったが、コルセット祭りは、昼の部が「ド・キ・ド・キ☆モーニング」と「いいね!」をメドレーにし、「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」「ヘドバンギャー!!」「BABYMETAL DEATH Short Ver.」の5曲構成、そして、夜の部が上記した6曲構成となった。
「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」と「BABYMETAL DEATH Short Ver.」が新曲として初披露されたのがこの日のセトリであり、ようやくオリジナル楽曲だけで1時間のライブができるようになった。
いうまでもなく、目黒鹿鳴館は、1980年代に幾多のパンクバンドとメタルバンドが競い合い、X-Japanが伝説を作った”ロックの聖地“である。
アミューズ所属なのに、わざわざ「インディーズデビュー」したことや、このライブに参加できたのが、「ヘドバンギャー!!」初回限定版のコルセットを持参した者だけという“縛り”をつけたことも含めて、KOBAMETALがBABYMETALを単なるアイドルユニットではなく、ロックバンドとして扱おうとしたことがわかる。
翌年の2013年7月14日にも目黒鹿鳴館でLegendキツネ祭りが行われるが、その後BABYMETALがライブで使うことは長らくなかった。
2016年4月のNHK特番『BABYMETAL革命』のロケで目黒鹿鳴館を訪れたSU-、YUI、MOAは「こんなに小っちゃかったっけ?」と驚き、また昨年12月の「STAY ROCK-MAY-KAN」でも、コルセット祭りの時は、観客がぎゅうぎゅう詰めで、息ができず、倒れそうだったと言っていた。
10 BABYMETAL BUDOKANの「紙芝居」で語られる「あの日、あの時、あの場所で…」の1つに、この目黒鹿鳴館があることは明白である。
 

●2012年8月19日

サマーソニック2012幕張@Side Show Messe

<セトリ 3曲>

1.ド・キ・ド・キ☆モーニング&いいねメドレー

2.ヘドバンギャー!!

3.BABYMETAL DEATH Short.Ver.

 


Side Show Messeは、メッセ会場中央のフードコートの階段下に設置された、お笑い芸人や駆け出しアイドルのための小さなステージである。BABYMETALのサマソニはここから始まった。

この写真でもわかるが、ステージ前はぎゅうぎゅう詰めである。

少なくともぼくが通ったサマソニで、基本的には休憩所であるフードコートステージがこんな状態になったアイドルは見たことがない。それほど、BABYMETALのわずか3曲は衝撃的だったのだ。

中学1年生のMOAは、夏休みの思い出の作文に、「サマーソニックに出ました」と書いたという。

 

●2012年10月6日
Legend "I"@渋谷O-East(定員1,300)
<セトリ 9曲>
01.    BABYMETAL DEATH
02.    いいね!
03.    君とアニメが見たい
04.    ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
05.    おねだり大作戦
06.    紅月-アカツキ-
07.    ド・キ・ド・キ☆モーニング
08.    ヘドバンギャー!!!
09.    イジメ、ダメ、ゼッタイ

2012年10月~2013年2月にかけて行われたライブLegend “I”,”D”,”Z”は、頭文字からわかるように、2013年1月に予定されていたメジャーデビュー曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」に向けた連続ライブである。
その初回となるLegend “I”は、BABYMETAL初のキャパ1,000人超えの渋谷O-Eastで行われた。
専用劇場を持つAKB48グループは例外として、普通のアーティストにとって、キャパ1,000人を超える会場でライブを行えるようになるのは、一つの分水嶺である。
全国のヤマダ電機の店頭での無料ライブ~車中泊ツアーをやっていたももクロも、2010年末に「ももいろクリスマス in 日本青年館」で1,200名の会場を満杯にし、涙を流した。ここからももクロの快進撃が始まる。
その意味で、1,300人の渋谷O-Eastを満員にしたLegend “I”は、BABYMETALの分水嶺だった。
このライブでは、BABYMETALの運命を決めた、いくつかの重要なできごとがあった。
ひとつは、「紙芝居」で、メタルの神キツネ様に召喚された三人の少女が、この世を支配する“巨大勢力アイドル”に対して、METAL RESISTANCEを戦うという「BABYMETAL神話」が初めて体系的に語られたこと。
初披露された「おねだり大作戦」で、YUIとMOAによるBLACK BABYMETALがアイドルのダークサイドに堕ち、それを救うためにSU-がマントを翻して「紅月-アカツキ-」を歌うという「メタル少女歌劇」が演じられたこと。
そして、ライブの終盤、アンコールの後に「METAL RESISTANCEを戦うBABYMETALにさらなる力を与えるため」、神のごときテクニックを持つ「ギターの神、ベースの神、ドラムの神」が降臨し、生演奏でバックバンドを務めたこと。
この日の神バンドは、紫煉(G)、Leda(G)、RYO(B)、SHIN(D)というメンバーで、Leda以外は一夜限りだったが、それまでのカラオケ+BABYBONE(骨バンド)とは全く違う音圧なのが、映像作品でもはっきりわかる。
その後のインタビューで、SU-は、初めての生バンドの大音量に臆するどころか、「背中を押されている感じで気持ちよかった」と語った。
このライブで、BABYMETALは他のアイドルとは全く違う様式美を確立したのである。

●2012年11月10日
Anime Festival Asia Singapore 2012@Singapore Expo Halls(定員3,000)
<セトリ5曲>
01.ド・キ・ド・キ☆モーニング
02.いいね!
03.ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
04.ヘドバンギャー!!!
05.イジメ、ダメ、ゼッタイ

初の海外でのライブ。会場のSingapore Expo Hallsは、幕張メッセのような展示場で、ステージが組まれた会場は定員3,000というものだった。もちろんBABYMETALにとって、こんな観客数は初めてである。
観客はシンガポール人のジャパンカルチャーファン、アニメファンだから、「日本のアイドル」として呼ばれたBABYMETALは色とりどりのサイリウムで出迎えられた。
もちろんBABYMETALにはメンバーカラーなどはなく、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」はともかく、「いいね!」「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」のエクストリームなブレイクダウンパートや、「ヘドバンギャー!!」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のパワーメタルぶりには、シンガポール人アイドルファンは戸惑っただろう。
ステージが初めて経験する長さの横幅だったため、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」で疾走したYUI、MOAは終演後倒れ込んでしまったという。
だが、翌日、帰国前のわずかな時間でお土産を買い、初めてのシンガポールを楽しんだ。
翌年もBABYMETALは、AFAシンガポール2013と初の海外単独公演Live in Singaporeの2回にわたってシンガポールでのライブを行った。カエル料理を食べたり、ナイトサファリに行ったり、YUIとMOAが遊びながら「4の歌」を作ったのは2013年らしい。
YUIMETAL脱退後の2018年にも、Judas PriestのFire Power World Tourシンガポール公演でBABYMETALはオープニングアクトを務めたが、その時には、当然「アイドル扱い」ではなかった。
(つづく)