Another 10 Yearsベビメタ名場面(4) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日4月1日FOX DAYは、2016年、2nd アルバム『Metal Resistance』がリリースされ、2017年、『Live at Tokyo Dome』DVD/BD(The One限定盤)がリリースされ、フィルムフェスツアーがスタート、『Legend-S-洗礼の儀』プレミア上映会が行なわれた日DEATH。

本日はFOX DAY。日本時間あるいはグリニッジ標準時の正午に何か重大発表があるかもしれないが、10 BABYMETAL BUDOKAN Ⅸ-Ⅹが近いため、その日に発表されるのかもしれない。
いずれにしてもぼくらメイトは期待して待つしかない。
その前に、とぎれとぎれで申し訳ないが、10年間の名場面を語り継いでおきたい。

<2013年(1)>
●2013年1月4日
日テレ『ハッピーMusic』    
<セトリ1曲>
1.イジメ、ダメ、ゼッタイ

2013年は、BABYMETALがさくら学院から切り離されて単独活動となり、神バンドを帯同して全国のロックフェスに出演し、かつ、地上波への露出も多かった1年である。この年の活躍が、翌年2014年の日本武道館2Days~初欧米ツアーへとつながった。
その中でも、メジャーデビュー曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」リリース直前の2013年1月3日(深夜25:33~26:28放送)の日本テレビ「ハッピーMusic」に出演したことは、その後の歴史において最も重要な意味を持っている。
番組は、三人へのインタビューと「イジメ、ダメ、ゼッタイ」のスタジオ披露というシンプルな構成だった。
インタビュー部分で、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」については、SU-が「辛い時などに背中を押してくれる曲」だと紹介。そして「2013年のハッピーな目標は?」と問われ、三人の連名で掲げられた書き初めが、墨痕鮮やかな「世界征服」の4文字だった。
この時点では、業界ほぼ最年少で、メジャーデビューしたばかりの三人が「世界」を「征服」するというのは無邪気な冗談に過ぎないと誰もが思った。
しかし、それから約1年後には1stアルバム『BABYMETAL』が、米総合アルバムチャートビルボード200の187位にランクインし、アイドルグループとしては類を見ない欧米ツアーがスタート。
3年後にはイギリスWembley Arenaを満員にし、2ndアルバム『METAL RESISTANCE』は、坂本九以来53年ぶりにビルボード200の39位にランクインした。
YUIMETALの脱退がありつつも、2019年にリリースした3rdアルバム『METAL GALAXY』は、ビルボード200で、日本語で歌う日本人アーティストとしては最高位の13位にランクインし、今や、世界的なメタルバンドとして認知されている。
「世界征服」は無邪気な冗談ではなく、本当の目標だったのである。

●2013年2月1日
Legend "Z"@Zepp Tokyo(定員2,700人)
<セトリ11曲>
1.    イジメ、ダメ、ゼッタイ
2.    いいね!
3.    君とアニメが見たい
4.    おねだり大作戦
5.    紅月-アカツキ-
6.    ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト
7.    Catch Me If You Can
8.    ド・キ・ド・キ☆モーニング
9.    ヘドバンギャー!!
(アンコール)
10.    BABYMETAL DEATH
11.    イジメ、ダメ、ゼッタイ



2013年1月9日に、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」がリリースされ、その前後には数多くの地上波、ラジオ番組、雑誌で紹介されていたBABYMETALだが、メジャーデビュー後最初のライブは、1月14日のリリース記念ライブ@大阪・心斎橋FANJ Twice(350人)だった。ここでは昼夜2回公演を「君とアニメが見たい」と「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」を入れ替えるセトリで5曲が披露されたが、より本格的なストーリー展開としては、Legend “IDZ”シリーズ最終公演となる2月1日のLegend “Z”が完結編となった。
いきなりカラオケの「イジメ、ダメ、ゼッタイ」から始まったライブは、初披露となる「Catch Me If You Can」がセトリに入ったが、9曲目の「ヘドバンギャー!!」が終了すると、三人はステージを去り、スクリーンにはデジタル時計が表示され、その時刻がついに「0:00」になってしまう。
Legend シリーズの「紙芝居」では、「…残された時間はあとわずか」というナレーションがしばしば入っており、それは、SU-METAL=中元すず香のさくら学院卒業とともに、「部活」である重音部=BABYMETALは解散するという意味にも聴こえた。常識的に考えて、メジャーデビューしてすぐに解散するなどということはあり得ないのだが、実際、中元すず香卒業後BABYMETALはどういう位置づけになるのかはわからなかった。
そのため、Legend“Z”で、時計の針が「0:00」を示したのはBABYMETALの持ち時間が「0」になったことを意味していた。だが、そんなモヤモヤした感情に包まれた客席に、スクリーンの奥から、ささやくような声で「…We…are…?」というSU-の声が聴こえてくる。
耳ざとくそれを聴きとった観客が「…BABYMETAL!」と応える。
SU-の「We are?」の声は徐々に大きくなり、客席の「BABYMETAL!!!」のレスポンスも大きくなってきた。すると、時計の針が逆戻りし始め、「BABYMETAL DEATH」の、あの神秘的なプレリュードが流れてくる。やがて、時計の針が爆発し、紗幕の向こうで、Legend “I”以来の神バンドによる「♪ダダダダダダッ、ダダダダダダダッ…」という演奏が始まる。そして、「パーン!」という爆発音とともに紗幕が切って落とされると、そこには、純白の衣装に身を包んだ三人がいた。
地上における「持ち時間」に限界があるという設定は、ウルトラマン以来のヒーローの特徴である。
そして、一度死んで蘇るというのは、イエス・キリスト以来の救世主の属性である。
アイドルなのにメタルのパワーで「DEATH!DEATH!DEATH!…」と叫んで、日常生活に「死」を宣告しつつ、大音量の非日常空間に新たな自分として蘇る―。
それがBABYMETALのテーマだった。
生のメタルバンドの演奏というリアルとともに、Legend “Z”の死と再生のフィクショナルな演出=「神話」によって、BABYMETALは真に誕生したといえる。
終演後、公式サイトでBABYMETALが中元すず香のさくら学院卒業後も存続し、YUIとMOAにとっては「課外活動」となり、全曲生バンド演奏のフルメタルツアー”五月革命“の開催と、全国ロックフェス修業へと進んでいく。

●2013年5月18日
五月革命東京Final Battle@Zepp DiverCity(定員2,473人)
<セトリ 7曲>
1.    BABYMETAL DEATH
2.    いいね!
3.    君とアニメが見たい
4.    おねだり大作戦
5.    紅月-アカツキ-
6.    イジメ、ダメ、ゼッタイ
7.    ヘドバンギャー!!

初の全曲神バンド演奏によるフルメタルツアー五月革命は、5月10日の大阪Big Catと、17日~18日(昼夜)のZepp Tokyonの合計4公演が行われた。
神バンドのメンバーは共通で、Leda(下手G)、BOH(B)、青山英樹(D)、大村孝佳(上手G)という現在と同様のラインナップ。そして、Legendシリーズのような大会場と、Zeppクラスのライブハウスとの併用という形も現在に通じる。つまり、この時点ですでにBABYMETALのライブ形態は完成していたのだ。


五月革命のストーリーは、BABYMETALがメタル修行のため、明らかにMETALLICAをモデルとしたメタルマスターに、メタルの極意を学ぶというスタイルで進行する。
その「紙芝居」はあくまでもMETALLICAを敬愛するKOBAMETALの妄想に過ぎず、メタルマスターが歴史上のヒロイン(卑弥呼、クレオパトラ、楊貴妃、ジャンヌ・ダルク)に扮しているのは、さくら学院の「スーパーレディ」を思わせて微笑ましい。
だが、この数か月後、BABYMETALは本物のメタルマスター=METALLICAに「推される」ことになる。
サマーソニック2013二日目、大阪のBABYMETALの出番を、METALLICA帯同カメラマンのロス・ハルフィンとラーズ・ウルリッヒがステージ脇から見学し、それを知ったKOBAMETALとBABYMETALの三人がMETALLICAの楽屋を訪問して、“ずっ友写真”を撮った。
その写真が世界中のMETALLICAファン=メタルヘッズに広がり、BABYMETALは、METALLICAお気に入りの「日本の少女メタルバンド」として、2014年以降の世界進出の大きな足掛かりとなった。
(つづく)